わたしたちの郷土「添牛内」その4

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5)森林とわたしたちのくらし


森林をそだてる人びと

 幌加内町は雨竜川の両側につづいている山やまで、りっぱな森林がそだてられています。幌加内町の森林は町の全部の広さの約90%にあたる7万7000ヘクタールもあって、おもにエゾマツ、トドマツなどの針葉樹やナラ、ヤチダモ、シラカバ」などたくさんの種類の木があります。

 幌加内町の森林のほとんどは営林署と大学演習林にはたらく人びとが、せわをしていますが、わたしたちのおとうさんやおにいさんのなかには冬になると山に行って、木材の切り出しや、うんぱんをしたりする人がいます。

 また部落の人びとが力をあわせて山をそだてるため森林組合をつくっていて、よい木をそだてようとしています。幌加内町はりっぱな木がそだつのもこうした多くの人びとのおかげなのです。


森林のやくめ

 森林からとれるものは、木材が一番多く、この半分はわたしたちの住む家をつくるのにつかわれています。
  つぎに船、電柱、鉄道のまくら木、ゆか板、エンピツ、マッチ、合板、チップ、外国に売るインチ材の用材が二番目です。
  三番目は紙をつくるパルプ材、そのつぎは、炭坑のこう材や、すみや、まきのじゅんになっています。
  科学がだんだんすすんできて木材から砂糖までつくれるようになってきたので、まきとしてもやすことは、だんだん少なくなってきています。森林はクルミの実のように食べ物になるもの、ろう、あぶら、ウルシ、しょうのう、とうえきなどいろいろなものをわたしたちにあたえてくれています。動物たちには、この森林はすばらし住み家になっています。

 一番大事なことは、森林が土地をまもっているということです。また、大風がふいても森林がじゃまをして風の力を弱めてくれます。
 このように森林は、いつも目立たないところで、わたしたちの生活をまもっていてくれるのです。


=資料=
普通の家を造るには(80㎡)
 ①・種子 6,000粒
 ②・この種子から苗木を 340本
 ③
・植付けしてから 約70年後 樹木となって56本(約40㎥)(トドマツ・エゾマツの針葉樹で伐採する時を 伐期会と云い65~75年後で直径40cm以上になる)
 ④・伐採した丸太を造って 約29㎥ (11㎥の差は、材根や木の突端を取り除くのから、これを造材歩留まりと云う)
 ⑤・製材所で板や角材にして 約21㎥ (8㎥の差は、鋸屑や樹皮等用材の取れないものを除くため)
 ⑥・これをトラックで運ぶと 約4台になる
木造家屋を建てるまでには、種を6,000粒蒔き、70年以後に伐採し製材にされ、建材として使われる。私の幼少期に種を蒔いた、トドマツやエゾマツが、今日になって木造新築家屋となっているのだ!


森林のそだてかた

 おやになった木から、秋、たねをとっておいて、春に苗木をそだてる畑にまき、山で一人立ちできる大きさになるまで4年間ここで大事にそだてられ、やがて山へ出されます。

 木をきり出したあとの山には新しい木をうえるじゅんびにかかります。ジーゼルにのって山を見ますと木をきったあとの山に、ずっとおくまで何本もの長いスジが見られますが、あれは、草やささを、草かりきやささかりきで刈って苗木をうえるのにじゃまにならないようにしたあとです。

 こうした山に、穴ほりきかいで穴をほり、列をそろえて丈夫な苗を1ヘクタールに300本ぐらい植えるようにします。

植え付けは、春と秋にするのですが添牛内は雪がきえるのが遅く春が、いっぺんいやってくるので苗木が病気にかかりやすいために秋に植え付けをするのです。よい苗木を植えても、枯れてしまうのがたくさん出ます。この枯れたあとに新しい苗木を、次の年の春に植えたしをします。それを補植(ほしょく)といいます。

 やがて苗木は日光をうけてすくすく大きくなるのですが、草や笹にまけそうになるので、それをかまではらってやります。これを下かりといい、苗木が笹の中から頭を出すまで7~8年間手入れを続けます。

 10年もたつと、そうとう大きくなりますが、つるなどが巻きついて大きくなることを邪魔をすることがありますので、つるきりや、育ちの悪い木や雑木を切って日光がよくあたるようにしています。下がりが終わってから4年目ごとに3回やります。このようにして育っていくうちに木は、お互いにたえず大きくなろうとして競走しているので、弱い木やかれた木を切って木と木の間を広くして強い木が早くりっぱに育つように助けてやります。これを間伐(かんばつ)といい森林の最後の仕上げの仕事です。

 こうして、切ることのできる太さになるまで、やく70年間たえず森林を守ってやらなければならないのです。この長い間にいろいろな恐ろしい敵がおそってきます。その中でも山火事が一番恐ろしいのです。その原因にタバコの吸ガラや、たき火のふしまつからもえ広がることが多く、それはほとんど人間の不注意からです。

 そこでこの時には消防署では火災警報、営林署や役場では、山火注意のはたやのぼりを立てて皆に注意をします。いちど山火事になると、山のことですから消火もなかなか思うようにできなく大雨がふったりしなければ、火はだんだん燃え広がっていくばかりです。このため山では、火をつかわないようにしなければなりません。次におそろしいのは、エゾヤチネズミという野ねずみで、このねずみは森林の土地の中に鳥の巣のように、巣をつくって住みつき、朝早くか、夜出てきては木の皮や、若芽をきれいに食べてしまいます。そのはかキクイ虫や、カミキリ虫の仲間が木を食いあらします。

 これをたいじするためヘリコプターなどで、毒ダンゴや薬を空からまいたり、手でまいたりして、だいじするのですが、大変世話のやける仕事です。



次回: 6)町のいろいろな仕事をUPします。

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