回想 「第六號殖民地」

滝谷酉様(添小26回生)の誌に託された「第6植民地」(大学演習林6号)をご紹介します。
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       写真:「昭和の桃太郎」添小28回生学芸会より

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  回想 「第六號殖民地」
  滝谷 酉
  添牛内小学校 28回生 
  札幌市在住

 昭和十年 小学校に入学 畑の中の砂利道の先で左に折れ 林道に入る それが通学路だ 山裾を削った林道は轍が深く抉れた馬車道

 左は雨龍川の流れ 普段は穏やかにゆったりと時には濁流となって岸を抉る ようやく着いた吊橋の袂 簡易な造りの吊橋に足を踏ん張り 揺れながら渡り そこは市街地 漸くほっとする 学校はもうすぐだ

 楽しい下校の時間 頭上で注意を引くカラスに「アホウ」と嘲られながら 吊橋の揺れさえ楽しい やがて林道に入る 時にはヒグマの糞や くっきりとした足跡に身震いし 一時間余 我が家が見えホッとする

 林道の出口に立つ白い標識柱 「北海道帝國大學雨龍演習林第六號殖民地」

 父から聞いた開拓時代の話 大正二年 士別から七里の道を峠を越え 熊笹の刈り分け道路を辿って入植凶作 食料不足と闘い ひと鍬ひと鍬耕し ハルニレの大木を伐採しながら切り開いたと…

 農産物は馬橇に積み 夜中に出発して峠を越え士別に出荷 必需物資を買って翌日帰宅 何年もその繰り返し そして今の繁栄があると

 鉄道では農産物や木材を積んだ長い混合列車が通り 農作業の人々に時刻を知らせる 校下には市街地が形作られ児童数三百二十余名を数える

 それから七十有余年を経て現在の過疎… 鉄道も学校も消えた 先人の努力は何だったのか


 添牛内Web同窓会 掲示板(BBS)ご投稿から 2017.10.22
 写真:昭和の桃太郎からトリミング 凛々しい小学生当時の滝谷酉様



昭和20年代復元図から大学演習林6号の滝谷家を確認してみましょう。
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昭和の桃太郎→http://02884095.at.webry.info/201310/article_17.html


 【北星】

1.現状
 ここは大きく蛇行する雨竜川の左岸で、大学演習林内の6号、7号、8号植民地をそっくり区域とした地区である。北は雨竜川を挟んで字大曲に、東は大学演習林に接し、南端は字新富、西は雨竜川を隔てて字添牛内に隣接している。大学6号と7号は、雨竜川に沿った飛び地の形で、8号が300㌶ほど面積を持つ地区の主体である。国道239号が士別峠から添牛内市街に向けて、東西に横断し、町道北星線の辺りで、国道279号線が分岐して北に向い、北星橋を渡って大曲に抜けている。国道の三叉路がここにある。三叉路から500㍍はど東に進んだ、左手の高みに小川牧場があるが、ここがこの地区発展の要であった北大雨竜地方演習林の庁舎跡地である。

1.沿革
 東北帝大農科大学(北海道大学の前身)の雨竜演習林内であったこの地区は、明治44年5月植民区画地選定のため、演習林本部の係員が実地踏査をして、政和から添牛内までの間に、農耕適地6ヶ所(のちに3号~8号植民となった)を選定した。大学側は、同時期に対岸の御料地への入植が開始され、雨竜御料地添牛内保護区の駐在員官舎が建ち、帝室林野管理局が御料地からこの地区を経て温根別に通じる道路開削をする予定のあることを察知していた。林内植民者を入地させるための道路見通しなどから、この地区を植民上最も有利な地であるとして、同年7月大学から調査員を派遣して区画測量を実施した。植民地番号は、雨竜川下流の方から付けられ、この地では、6号に4戸分、7号に3戸分、8号に39戸分で、合計247㌶余りを区画し、8号には官舎用地、苗圃(びょうほ)予定地、学校敷地などが予定された。
 これに先立って、温根別側から国境超えに北星から大曲一帯の原野を望み、農耕地として好ましい土地があると見定めた人達がいた。・・・・・・・・・・・・・・・・・

   出典:新幌加内町史から抜粋(平成20年3月発行)


      添牛内小学校「教育目標」 ●じょうぶな子 ●よく考える子 ●心の豊かな子 ●よく働く子

この記事へのコメント

カムシュペ
2017年10月30日 10:06
演習林の話が出てきましたが、演習林の役割はおおきかったのでしょうか。原始林から耕作地にするためには並々ならぬ苦労だったのですね。演習林の木は年数の多いものは切って製材し商品化しましたその利益は現地の人々のために使ってもいいという方針でした。そのお金で伐採費用丸太の運搬費用につかいました。雨龍川が凍るとおさるない川から雨龍川のウエを 
馬橇で丸太を運んだものでした。馬橇の轍に水をかけるだけの馬橇もいました。ジャガイモだけでは生活できなかったようです。丸太の運搬手段は馬橇だけでした。トラックもガソリンもない時代でした。

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